社会にでて2年ほどした26歳の頃、夏のボーナスを握り締めて実家を出た。 一人で探し、一人で決めた城。自分だけの家。 勝手に決めて、親に事後報告で 「保証人欄よろしくネ」。 あと、帰ってきちゃったらゴメンね! って言ったら「アホ、出ていくんだったら二度と出戻らない覚悟で行け!」と父に言われた。父は、いろいろと無関心、無干渉で説教などしない人だったので、ちょっと驚いた。 でも、まあその通りだと思った。覚悟を決めて、出て行かないと、自立する意味ないし。 冷蔵庫は備え付け(冷凍庫なしの小さいやつ)、TVは当時勤めていた会社で必要なくなった14インチの小さい(けど私の狭い部屋には丁度よかった)のを貰って、洗濯機はナシ。敷き布団をおばあちゃんの家から貰ってきて、肌がけだけ実家から持って。あとは着替えとマンガ(財産)とラジカセ。以上の引越し。見慣れないダンボールを開封すると、親が詰めてくれたフライパンやおたまや菜ばしが出てきた(ちょっと泣けた)。あとは、奮発して炊飯器を買って、城への引越しは完了した。 敷金を分割にさせてもらったほど、お金ないないのスタートだったんだけど、楽しかった。自分のためにする家事が大人になったようで(とっくに大人なんですが)。通勤の時間に費やすより、家事のためにとられる時間の方が全然苦にならなかった。どんなに残業してても。 お金なくて、昼は毎日「梅干おにぎり4個、のりナシ」。たまに、マーボ豆腐(夕飯の残り)をごはんにぶっかけたものだけでも。全然楽しかった。イキイキした。 その頃からやっと料理を始めたのだけれど。 ある夜、ご飯を作ろうとしたら、「にんじん」しかなかった。 にんじん料理・・・にんじんをメインに・・・・・。 そこでひらめいたのが、「鶏肉の梅干煮」風のにんじんの梅干煮。 にんじんを醤油とみりんと砂糖と梅干を煮込む。 できて、味見をしてみる。・・・絶望的な作品に驚く。 この状況を救える食材が何かないかと必死に探したら、ツナ缶を発見!即投入! なんと、美味しくなったんです、ツナの投入により。 結論としては、お金がなくても楽しかった輝かしい独り暮らし時代。 そして、欠かせない魔法の食材は「ツナ缶」ですよ、ということ。 |